情報メディア学会2014パネルディスカッション①
2014/06/28に、情報メディア学会@JSTサイエンスプラザにお使いしてきました。
テーマ「デジタル化を拒む素材とアウトリーチ」
司会 岡部先生
コーディネーター 江上先生
パネリスト
大場さん【国立国会図書館】
茂原さん【渋沢栄一財団】
田中さん【ネットアドバンス】
後藤さん【花園大学文学部】
前日から当日の流れの詳しいことは、まとめがあります。(#JSIMS2014でも追えます)
情報メディア学会 第13回研究大会「デジタル化を拒む素材とアウトリーチ」 #JSIMS2014 - Togetterまとめ
以下瀬野の覚書です。発言者の方の意図と異なる書き方をしている可能性が有ります。すみません…!
・テーマについて(江上先生)
海外日本研究における深刻なデジタル資料不足
(電子書籍 中国 : 195140 韓国 : 13852 日本 : 1959)
日本は紙媒体はそろっているけど電子書籍・電子ジャーナルはまだまだ!!
アウトリーチ…図書館サービスを十分に受けられないユーザーに対して、図書館サービスを提供する。 |
→ユーザーとは誰か?
→ユーザーの設定を履き違えていないか?(例 : 若手研究者の問題)
→解決策としてデジタル化
今回は「つくる」「つたえる」「つかう」の3つに焦点を当てた。
・デジタル化の理念とメリット・デメリット(大場さん)
デジタル資料の長所
アクセスの改善…いつでもどこでもだれでも、検索性の向上
現物の代替…現物の保存、複製しやすい
デジタル資料の短所
不便…通覧性がわるい
不安…自分の知らないところで勝手に流通、改ざんや消失があるかも
不足…モノとしての性質(紙の資料の持つ情報量と比べると?)
デジタル化のコスト・リスクは誰が引き受けるのか?
・渋沢栄一財団の紹介とデジタル化で難しいこと(茂原さん)
今回は、「つくる」「つたえる」「つかう」に+つづくを足したい。
閲覧室のない資料室
2つの難しいこと
-提供しているコンテンツを見つけてもらうのが難しい。
-同じように続けるのが難しい。(データへのアクセスの確保)
リソースを取り巻く環境がどれくらい続くのか?
・日本語電子資料の海外の需要と利用について(田中さん)
ネットアドバンス…Japanknowledgeの営業を行っている会社
Japanknowledgeの始まり
もともとは個人向けに作成したが、D大が「ぜひ法人にも!!」とのこと
((司会の岡部先生・コーディネーターの江上先生「えっ」))
「費目どうすればいいですか」「通信費とかはいかがでしょう」
(1年後)
「通信費が高いって怒られました」「説明書入りのDVDを物納します!」
現在は海外250機関で使われている
北米50機関 欧州30機関 アジア170機関(台湾のコンソーシアムでの契約)
日本研究を行っている大学が利用していおり、多くがオフ・キャンパスでの利用
なぜウケたのか
・辞典中心の基礎的なDB…2003-2004年は日本語のDBがほとんどなかった
・契約内容、コンソーシアムに柔軟に対応
・(名前が大ウケ)
海外の特徴
・司書の決済権が強い(100万円単位の商品に対しても「これ買うわ」と即決)
・予算は潤沢にあるが買うものと買わないものははっきり
・CDやDVDに対して強い嫌悪がある
・コピーは当然、教育利用における制限はとくになし
・紙代や輸送費等がいらないし安くしろ(日本は紙を電子化するから高くする)
ベンダーからみた電子化の課題
・ビジネスモデルの確率
・(プロデュース力のある)アグリゲーターの育成
・日本語資料購入の予算
・電子書籍やデータベース価格の見直し
・日本語はマイナー言語であるという思い込みが出版社にはある
・人文科学系データベースについて(後藤先生)
人文系研究者にとってデジタルアーカイブは必須
人文科学系の研究者は一方的な消費者?
トンデモDBがたくさんある
大学図書館を通すほうが使いやすい(若手研究者は使えないよね…)
登録型のDBでは所属を求められる
デジタル化するには負担が大きい(くずし字・異体字など)
権利の問題
多くの歴史資料には著作権はない。しかし、所蔵者と公開者の関係が…
東寺百合文書WEB ←これは京都府立博物館が持っていたものをそのまま公開した
発見の重要性…人文系のデータベースが検索で引っかかる例は少ない
・シンプルな検索で出したい
これこれこんな感じのことが知りたいというレベルでも出るようにしたい
・データが突然変わらないこと
・権利関係が明確であること
とりあえずここまで。
休憩を挟んでディスカッションへ移りました。